【SPN】派遣先担当者が知っておきたい「労働者派遣法の概要」

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【SPN】派遣先担当者が知っておきたい「労働者派遣法の概要」
【SPN】派遣先担当者が知っておきたい「労働者派遣法の概要」

派遣先担当者が知っておきたい「労働者派遣法の概要」(前編)

~労働者派遣法には、派遣元・派遣先それぞれについて様々な責務を定めている~

■はじめに(派遣先が労働者派遣法を知っておく理由)
労働者派遣は、労働契約上の雇用主(派遣元)と業務の指揮命令を行う者(派遣先)とが異なることから、労働者派遣には、通常の労働契約(直接雇用)に比べて「雇用主責任」が不明確になるという課題があります。そのため、労働者派遣法において、派遣元企業・派遣先企業それぞれに、様々な責務を定めています。派遣先の皆様にとっては、なじみ薄い法律ですが、内容をご理解いただき派遣労働者を受け入れていただきたいとと思います。今月のパートナーニュースでは、労働者派遣法の概要について、主に派遣先企業に求められる事項を解説します。

1.派遣先企業が遵守すべき法令

派遣社員は、派遣元となる人材派遣会社と雇用関係にありますが、派遣先となる企業から指揮命令を受けて仕事に従事します。そのため、派遣社員の保護や適正な就業場所といったことを目的として、派遣社員を受け入れる際に派遣先の企業においても下記のような遵守すべき規定があります。

■派遣先が講ずべき措置(労働派遣法39条~43条)

労働派遣法では、派遣元が講ずべき措置だけではなく、39条~43条において派遣先企業が講ずべき措置が定められています。また、この法令を遵守するための実務において確認するべきものが「派遣先が講ずべき措置に関する指針」です。2021年にも指針の改正があり、「派遣先は派遣労働者から苦情を射受けた場合、派遣先の労働関係法令上の義務に関する苦情については誠実かつ主体的に対応することが規定されました。

■労働基準法等の適用の特例(44条~47条の3)

労働基準法等において、原則として派遣社員との雇用関係契約のある人材派遣会社が、法令で定められた事項に対して責任を負います。しかし、派遣社員への業務遂行上の具体的指揮命令を行うのは就業場所となる派遣先の企業となり、派遣社員が働く場所の設備や機械などの設置・管理も行っています。そのため、派遣先の事業主を対象として「労働基準法等に適用においての特例」が44条~47条の3で定められています。

2.法令違反となった場合

労働者派遣法や労働基準法に「違反」していると行政が判断をした場合、違反した事項の責任者となる人材派遣会社や派遣先企業に対して、「指導・助言」、「改善命令・事業停止命令」、「勧告・公表」、「許可の取り消し」等が行われる場合や、告発の対象となる場合があります。

■2020年度の派遣先企業への指導率は「72.6%」

労働局が2020年度に行った「労働者派遣事業に係る指導監督実施件数踏査」では、派遣先企業が指導監督を受けた件数は2,148件。そのうち、文書による指導が行われたのが1,560件。およそ72.6%の確率で指導が行われました。対する派遣元企業は11,614件のうち、文書による指導を行った件数は6,140件。およそ52.4%という結果となっていることを鑑みても、派遣先企業への指導率の高さがおわかりいただけると思います。
派遣先企業が「勧告・公表」の対象となった場合は、違反した内容について厚生労働省のホームページに掲載されることがあります。その場合、企業名といった情報も公表される場合があります。企業名が公表されてしまうと、風評被害といったリスクに発展してしまう恐れもあり、このような事態を避けるためにも、法令を理解し遵守することが何よりも大切です。以下、特に気をつけるべき事項について紹介します。

3.労働者派遣法で禁止されている事項

(1)適用除外業務への派遣の禁止
次の業務については、労働者派遣が禁止されています。

① 港湾運送業務
港湾における、船内荷役・はしけ運送・沿岸荷役やいかだ運送、船積貨物の鑑定・検量等の業務(港湾労働法第2条第2号に規定する港湾運送の業務)
② 建設業務
土木、建築その他工作物の建設、改造、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの準備の作業に係る業務
※建設現場での事務業務や施工管理業務の場合は、派遣が可能です。
③ 警備業務
事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等における、または運搬中の現金等に係る盗難等や、雑踏での負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務(警備業法第2条第1項各号に掲げる業務)

◆注意点(以下のような場合に注意が必要)
禁止(適用除外)業務には該当しない販売業務や受付業務、駐車場管理業務としての労働者派遣であっても、業務内容によっては、警備業務とみなされる可能性がある点に注意が必要です。たとえば、混雑時に客にレジ前に整列するよう依頼する、徘徊している不審者に声をかける、車両を誘導するといった行為を繰り返し行うことが該当します。

④ 病院・診療所等における医療関係業務
医師、歯科医師、薬剤師の調剤、保健婦、助産婦、看護師、准看護士、栄養士等の業務

※ただし、紹介予定派遣、病院・診療所等以外の施設(社会福祉施設や保育園など医療機関ではない業務)で行われる業務、産前産後休業・育児休業・介護休業中の労働者の代替業務については禁止の例外とする。
※2021年4月より「へき地の威医療機関への看護師、薬剤師、臨床検査技師、放射線技師等」についても派遣が認められている。

(2)日雇労働者についての労働者派遣禁止

日雇労働者の派遣は、あまりにも短期の雇用・就労形態で、派遣元・派遣先双方で必要な雇用管理責任が果たされておらず、労働災害の発生の原因にもなっていたことから、日雇労働者を派遣することは原則禁止となりました。ただし、以下の場合は、日雇派遣禁止の例外となります。

・日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務について派遣する場合
(政令第4条第1項に定める業務:ソフトウェア開発、事務用機器操作、ファイリング等)

・60歳以上の者、昼間学生、生業収入及び世帯収入が500万円以上の者また、2021年4月から、「医療機関以外」への看護師の日雇派遣が解禁されています。

(3)契約の解除

派遣先は、派遣労働者の国籍、信条、性別、社会的身分、派遣労働者が労働組合の正当な行為をしたこと等を理由として、労働者派遣契約を解除することはできません。
また、派遣先の都合により労働者派遣契約を解除する場合には、派遣労働者の新たな就業の機会の確保や、休業手当等の支払いに要する費用の負担など、派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講じなければなりません。

(4)派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止

労働者派遣契約の締結に当たっては、紹介予定派遣の場合を除き、派遣先が派遣労働者を指名することや派遣就業の開始前に派遣先が面接を行うこと、履歴書を送付させること、年齢層を指定したり、若年層に限るなどの指定を行うことなどは原則的にできません。派遣元事業主も、派遣先からの派遣労働者の指名行為、事前面接や履歴書の送付要請に協力することは禁止されています。

【派遣決定前に派遣労働者に会うことが許される場合】
派遣先に選別の権限はなく
①スタッフの側に当該派遣先で働くかどうかの選択権がある場合
②仕事のための事前打ち合わせの場合

(5)離職後1年以内の労働者の受入禁止

派遣先は、自社で直接雇用していた社員やアルバイト等の労働者(60歳以上の定年退職者は除く)を、離職後1年以内に、派遣労働者として受け入れることはできません。本来、直接雇用するべき労働者を派遣労働者とすることで、労働条件を切り下げている可能性があることに加え、常用代替の典型例であり、労働者派遣法の趣旨に反するとして、派遣元は、離職した労働者を離職後1年以内に離職前事業者に派遣労働者として派遣することは禁止されています。
※定年退職者には、継続雇用後に離職した者や継続雇用中の者も含まれます。
※禁止対象となる派遣先の範囲は事業者単位となります。

4.労働者派遣の期間制限

2015年9月30日以降に締結された労働者派遣契約に基づく労働者派遣については、すべての業務で、「派遣先事業所単位の期間制限」と「派遣労働者個人単位の期間制限」の2つの期間制限が適用されます。

(1)派遣先事業所単位の期間制限

派遣先は、同一の事業所において派遣可能期間(3年)を超えて派遣を受け入れることはできません。ただし、派遣先事業所の過半数労働組合等(※1)から意見を聴いた上であれば、3年を限度として派遣可能期間を延長(※2)することができます。意見聴取には、意見聴取期間が設けられており、事業所単位の期間制限の抵触日の1か月前までに行うことが必要です。
※1:過半数労働組合が存在しない場合、派遣先の事業所の労働者の過半数を代表する者
※2:再延長する場合には、改めて意見聴取手続きが必要

派遣先は、労働者派遣の締結に当たり、あらかじめ、派遣元事業主に対して事業所単位の期間制限の抵触日を通知しなければなりません。派遣元事業主は、通知がないときは、労働者派遣契約を締結してはなりません。

(2)派遣労働者個人単位の期間制限

派遣先事業所単位の派遣可能期間を延長した場合でも、派遣先の事業所における同一の組織単位(いわゆる「課」などを想定)で、3年を超えて同一の派遣労働者を受け入れることはできません。

(3)いわゆる「クーリング期間」について

事業所単位の期間制限、個人単位の期間制限の両方に、いわゆる「クーリング期間」(派遣終了と次の派遣開始の間の期間が3か月を超えること)の考え方が設けられています。

(4)期間制限が適用されない場合(期間制限の例外)

派遣元事業主に無期雇用されている派遣労働者を派遣する場合や60歳以上の派遣労働者を派遣する場合、一定期間内に完了する有期プロジェクト業務に労働者を派遣する場合、日数限定業務(1か月の勤務日数が通常の労働者の半分以下かつ10日以下であるもの)に派遣労働者を派遣する場合、産前産後休業、育児休業及び介護休業等で休業する労働者の業務に派遣労働者が従事する場合などは、例外として期間制限の対象外(期間制限の例外)となります。

 

Back Number⇒【Sunpla Partners News ~2022年10月号 1/2~】

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