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Sunpla Partners News ~2022年8月号 1/2~
Sunpla Partners News ~2022年8月号 1/2~

政府が重点を置く「人への投資」

テーマは社会人のリスキリングや成長分野への労働移動、兼業・副業の推進、生涯教育の環境整備など
~リスキリング、自己啓発とセットで効果高く!学び直しで年収7 %増加~

 

政府は、今年の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)と、岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」の実行計画で、「人への投資」に重点を置きました。 2024 年度までの 3 年間で 4000 億円を投じます。「人への投資」とは、従業員のリスキリング(学び直し)や賃上げ、職場環 境の改善などを通じて、企業が従業員の働きやすさや働きがいを高めることです。企業価値の向上につなげるため、人材を「コスト」ではなく、「資本」と考える点に特徴があります。こうした情報は「非財務情報」と呼ばれ、有価証券報告 書 などで開示が義務付けられている売上高や利益などと異なり、共通の測定指標や開示ルールはありません。
自主的に開示する企業はあるものの一部にとどまり、企業間の比較も難しい状況です。岸田政権は、この人的資本に関する情報の開示を企業に求める方針を打ち出しています。企業は、情報開示の準備に向けて、対策 を講じることが必要です。

1.学び直しで年収7 %増 ~自己啓発とセットで効果高く

同じ企業で働く人の年収の推移を自己啓発や Off JT (職場外訓練)の有無で比較した結果が、日経新聞で報じられました。記事によると、 Off JT の実施者は 1 年目から年収が増え、 3 年目は何もしていない場合より 5.9 %多くなり、自己啓発も組み合わせていると 6.7 %とさらに伸びが大きくなることがわかりました。日本の企業は人件費を経営リスクと捉え、負担の軽減に努めてきたため、働き手への投資は、今では 先進国の中で最低水準にとどまっています。厚生労 働省の推計によると、GDP(国内総生産)に占める企業の能力開発費の割合は、 2010 2014 年の平均で 0.1 にとどまっています。欧米は 1990 年代から 1 2 %で推移しており、大きく差がついています。

2.「人への投資」に関する開示事項の例

企業経営者や役員に「人への投資」についてヒアリングすると 、多くの人は「人材育成は昔からしっかりやってますよ。うちは”人が命”ですから」と断言する 方が多いようです 。しかし、政府から「研修時間」「研修参加率」「複数の研修参加率」などの数字を開示しなさいと言われたらどうしますか?
「新入社員研修」や「実務研修」を入社したての社員にしか受けさせない企業はとても困る ことになるでしょう 。 まして、 日ごろの OJTによる教育 は換算されないの です 。2022 年 4 月 1 日から人材開発支援助成金が見直され、 使いやすくなっています。以下、改正された内容をご紹介します。

3.令和 4 年度から人材開発支援助成金の見直しが行われました

(1)人材開発支援助成金
「人への投資促進コース」が新設されました人材開発 支援助成金は、事業主があらかじめ策定した計画に従って労働者の職務に関連した知識・技能の習得のための職業訓練などを実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成される制度で す。昨年度まで人材開発支援助成金は、特定訓練コースや一般訓練コースなど、 7 つのコースで構成されていましたが、令和 4 年 4 月から「人への投資促進コース」が新設され、令和 4 年度から令和 6 年度まで実施されます。「人への投資促進」コースでは、いわゆる教育系の助成金の範囲が広がることで事業主の選択肢が増え、リスキリング(職業能力の再開発、再教育)の取組みへのハードルを引き下げる効果が期待されています。
「人への 投資促進コース」は、デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスク リプション型)等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成される
仕組みで、以下の 6 つの種類に区分されます。

※令和 4 年 4 月から、人材開発支援助成金のすべての訓練コース においてオンライン研修(eラーニング)と通信制による訓練も新たに対象化しています。
※特定訓練コース、一般訓練コースおよび特別養成訓練コース

(2)「 人への投資促進コース 」 の助成率・助成額

※人への投資促進コースの修了後に正社員化した場合は、キャリアアップ助成金(正社 員化コース)の加算対象になります(「情報技術分野認定実習併用職業訓練」は除く)。

助成金を受給するには、設けられた要件に沿って体制を構築しなければなりません。手間に感じるかもしれませんが、優秀な社員を採用することに加え、優秀な社員を定着させるためにも、これからは必要な仕組みです。申請するかどうかはさておき、体制づくりの参考にしてみてはいかがでしょうか。

(3)「人への投資促進コース」の活用例(自発的職業能力開発訓練の例)

労働者が受講する教育訓練経費を助成する制度に教育訓練給付金制度があります。この制度は、 雇用保険の被保険者期間が 3 年以上の対象者が厚生労働大臣指定講座を受講し、修了した場合、本人が支払った教育訓練経費の 20 %(上限 10 万円)に相当する額が給付金としてハローワーク(公共職業安定所)から支給されるものです 。
一方、自発的職業能力開発訓練は、事業主が就 業規則等に労働者の自発的な訓練を受講した場合などに 2分の 1 以上の経費補助を行う制度を定めて適用した場合に助成されるもので、労働者の自主的な意思による受講に対してバックアップする事業主を支援する制度です。この制度を活用することで一般的な教育訓練給付金の受給率よりも高い補助が受けられる点や、就業規則等を通じて制度化されることで広く多くの従業員が恒久的に活用できる点に 特徴があります。

(4)「人への投資促進コース」助成金支給の流れ ~受給のためのポイント~

Step1:事業 内 計画 の作成
「 人への投資促進コ ース」を利用するには、 「 事業内職業能力計画」 を作成し、段階的・ 体系的な訓練を実施することが必要です。 また、社内で 職業能力開発 の取組みを推進するキーパーソンである 「職業能力開発推進者」 を 選ぶことが必要です。

Step2:計画届の申請
「訓練実施計画届(様式第 1 号) と 「年間職業能力開発計画(様式第 3 1 号)」 を作成し、訓練開始日から起算して 1 か月前まで(厳守)に必要書類を都道府県労働局に提出することが必要です。
※通信制により実施される訓練の場合は、 「通信制訓練実施計画届(様式第 3 号 2 )」 の提出も必要で す。

Step3:制度導入(自発的職業能力開発訓練、長期教育訓練休暇等制度
「自発的職業能力開発 訓練」と「長期教育訓練等制度」の助成の場合は、 就業規則等に制度を定める ことが必要となります。

【自発的職業能力開発訓練】計画提出 前 に制度 を導入していることが必要です。
【長期教育訓練休暇等制度】原則、計画提出 後 に制度を導入することが必要です。

Step4:訓練実施(制度の適用)
「年間職業能力開発計画(様式第 3 1 号)」に基づき、訓練を実施 します。
※長期教育訓練休暇等制度の場合は「制度導入・適用計画届」に基づき制度の適用、なお、計画を変更して訓練を実施する場合は、あらかじめ「訓練実施計画変更届(様式第 2 号)」を提出することが必要です。

Step5:支給申請
訓練計画に記載される 訓練終了日の翌日から起算して 2 か月以内に「支給申請書(様式第 5 号)」と、必要な書類を労働局に提出してください。e ラーニングにより実施される訓練については、実際に訓練が修了した日から支給申請が可能です。

【事業内職業能力開発計画とは】

自社の人材育成の基本的な方針等を記載する計画であり、労働者の職業能力の開発や向上を段階的かつ体系的に行うことを目的として、経営理念や経営方針に基づいて 企業全体の視点で作成する必要があります。計画の作成は職業能力開発促進法 11 条で事業主の努力義務とされていますが、「人への投資促進コース」では原則として支給要件となっています。作成は任意形式で構いませんが、原則として以下 の基本記載項目を盛り込むことになります。
厚生労働省の「事業内職業能力開発計画作成の手引き」によれば、基本的な項目としては、①経営理念・経営方針、②人材育成方針・目標、③雇用管理方針等、 ④職務要件・勤務評価基準、⑤キャリアマップ(個
人別職務評価)、⑥教育訓練体系図、⑦教育訓練計画、⑧教育訓練カリキュラムで構成されます。このうち、①~③が「 3 つの基本」とされますが、助成金申請の実務にあたっては、⑤~⑧がより重要となります。

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